自然相手の農家は、その時その時で
「今しかない・タイミングを外すとマズい作業」があります。
キウイフルーツの場合は今の時期、摘蕾と授粉作業です。
まず「摘蕾」は、着果量を調節し、
貯蔵養分の浪費を防ぐために、蕾を摘み取る作業です。
そして「授粉」。キウイフルーツの木は雌雄異株で、
畑にはメスの木がたくさん植わっています(上の写真も雌花です)。
雄木も少しありますが、それだけでは授粉に必要な花粉は賄えないので、
輸入花粉を使って人工授粉をしています。
不要不急の外出を控えるように言われている昨今ですが、
ステイホームすることなく、ほぼ毎日畑に出かけています。
連日誰にも会わずに作業をしていると、鳥や虫など、他の生き物の存在に安心します
(と言いつつ、ヨトウムシやマイマイガの幼虫は捕殺しまくっているのですが)。
摘蕾は、単純作業ではあるのですが、
なるべく結実後に果皮を日焼けさせないよう、葉陰にある蕾を残したり、
キウイ棚のパイプに接触しそうな蕾を優先して取ったり
(金属と接していると果皮が汚れてしまうため)、
意外に細かい気遣いが必要だと感じます。
また、たまに冬に取り除ききれなかったカイガラムシが枝にいたりするので、
摘蕾と同時に削り落としています(冬の駆除作業の様子はこちら)。
これら地味な作業の積み重ねで、より品質のよいものができると信じ、
日々畑に出向いています。