摘蕾と同時進行で授粉作業が始まりました

紅妃の花。
満開のピークを過ぎ、散り始めたところです
花の匂いに誘われて、ハナバチやハナムグリなどの訪花昆虫がたくさんやってきます
クモの卵がありました。つつくと「わ〜〜〜」と慌てるのが面白いです。
「クモの子を散らす」ってこれか、と思いました
農薬を使わない畑は色々な生き物がいて楽しいのですが、
こんな来訪者もいるのが困ったところです。
スズメガの若齢幼虫?でしょうか、蕾に頭を突っ込んで中身を食べています。



キウイフルーツは軟毛種から開花が始まるため、
先に軟毛種の摘蕾を終わらせてから
硬毛種の摘蕾に取りかかります。
そのうちに軟毛種が開花するので、
5月は途中から摘蕾と授粉が同時進行になります。

キウイフルーツは他の果樹と比べて必要な作業が少なく、
病害虫も少ないため、栽培が比較的容易といわれますが、
この時期だけは重要な作業が重なってなかなか大変です
(とはいえ、早朝に農薬を散布している農家の方を見かけると、
農薬の管理・使用、農業機械の導入・整備など
無農薬で農業をやっている私たちとは全くレベルの違う
ご苦労があるのだろうな、と思ったりもします。
これで大変だなんて言っていいのか、と…)。

今日は授粉作業の様子を、簡単にですがご紹介します。



授粉作業当日、冷凍庫に保管している粉末の花粉を、その日使う分だけ
花粉増量剤(原料は石松子:ヒガゲノカズラの胞子だそうです)と混合します。
花粉は高価なので、粒子の細かい石松子で希釈して使用しています。

中央が花粉。輸入花粉は1本でウン万円します…

増量した花粉は、温度が上がらないように、
保冷バッグに入れて持っていきます。
これを花粉交配器に移して授粉をします。

商品名は「コロンブス」。
下部のポンプを押すと空気が送られて、
上部のカプセルに入った花粉が出るという単純な仕組みです


「授粉作業」と聞くと、毛バタキとか羽毛のついた棒(梵天)で
ポンポンと花を撫でていくような風景を想像しますが
(もちろん、これらの方法で授粉している果樹農家もたくさんいます)、
私たちは、写真のような手動の交配器を使用しています。
これで、花1つ1つに授粉をしていきます。

開花直後の花。
柱頭が湿っている午前中に授粉するのがよいそうです
こちらは授粉の翌々日くらいの花。
石松子は着色されているので、授粉後の花は黒く色がつきます。
これによって授粉したかどうか判別できます

今月は気温が高く晴天の日が続き、毎日が「授粉&摘蕾日和」。
毎日毎日上ばかり見ているので、さすがに首が痛くなってきました。
でも作業のピークはまだまだ先、
天気がいいからと無理せず、休み休みやりたいと思います。