キウイフルーツの収穫と選別作業

晩生種・ヘイワードの収穫

11月半ば、キウイフルーツの晩生種・ヘイワードの収穫を行いました。
今年も夏場の猛暑・雨不足に苦しめられましたが、完全な早期落葉はどうにか免れ、収穫までこぎつけました。

ヘイワード。貯蔵性が高いため、最もよく出回っている品種です
今年も猛暑の中、本当に頑張ってくれました

今年から選別作業を機械化しました

キウイフルーツは収穫後の出荷のために、表面のうぶ毛を落とし、等級(重さ)ごとに選別する必要があります。
これらを今までは手作業でやっていたのですが、栽培面積が増えたこともあり、思い切って機械を導入しました。

まず、キウイの毛を落とすための研磨機。
こんなマイナーな機械を作っている会社は少なく、調べまくった結果、愛知県の製作所が製造していることがわかり、そちらの機械を導入しました。

写真右手から原料を入れると、中央内部のブラシで研磨され、左手から出てくるという仕組みです
内部のブラシ。キウイを傷つけないよう、洋服ブラシのようなやわらかい毛が植え付けられています
研磨後の床……これ、全部キウイの毛です!!
数十キロ研磨しただけで、こんなに毛が落ちます…


次に、重量別に果実を選別する選果機。
選果機はトマト用など、割と作っているところが多いようです。
こちらは愛媛県の製作所のものを導入しました。

(現在、古民家を作業場として借りているので、畳の部屋が写り込んでます…)
あらかじめインプットした重さ別に選別し、規定の位置で果実を落とします。
計量後、液晶画面に1個1個の重さが表示されるので、途中から「これは重そうだ!……おお、125gか!」とゲーム感覚に

単純に重さで選別する機械なので、日焼け果や変形果は目視で取り除く必要がありますが、それでもやっぱり機械があるとないでは大違いです。

機械を導入してみて思うこと

研磨機も選果機も、導入してよかったと思います。
このような機械を作っている小さな町工場の存在が、とてもありがたいと感じます。

研磨も選別も手作業でできなくはないけれど、ものすごく時間・手間がかかります。
そして正直なところ、キウイフルーツは現状、膨大な時間と手間をかけても採算が取れるほど、高価格で販売できる果物ではありません。
効率化できる部分は効率化するべきだと思っています。

そして、キウイフルーツというものは意外と乾燥しやすく、上の写真のようにビニール袋に入れ、霧吹きをかけて保湿しないとすぐシワシワになってしまいます。
また、軟化した果実が混入しているとエチレンガスが発生し、周囲の果実も軟化してしまいます。

収穫後なるべく早く選別作業をして、軟化した果実を取り除き、袋に入れて保管することで品質が維持でき、キウイの貯蔵性を生かした長期販売ができるわけです。

シャインマスカットみたいにキロ単価は高くないけれど、冬の間貯蔵して長く販売できる、キウイフルーツの長所を最大限引き出せるという意味でも機械を入れて良かったなと思っています。